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伝統の八女茶を丁寧な管理とこだわりで紡ぐ。茶園オーナー、原田さんに現地取材

福岡県八女市。約600年の歴史を誇る八女茶の産地で、丁寧なこだわりの管理によって至高の一杯を追い求める生産者がいます。今回は原田茶園の代表 原田竜二さんに、お茶栽培だけでなく、肥料・土づくりについてもお話しを伺いました。

八女茶の生産者、原田さん

福岡県筑後市で先祖代々続く茶園。八女茶専門ブランド「茶ノ時(ちゃのとき)」を展開。きめ細かな栽培にこだわり、令和6・7年度の福岡県茶共進会・煎茶の部で最上位の1等1席を獲得するとともに、農林水産大臣賞を2年連続で受賞。さらに「日本茶AWARD」でも2023年・2024年にプラチナ賞を獲得するなど、全国的にも高い評価を得ている。高品質なお茶を手軽に楽しめるティーバッグなども手がけ、直売・通販サイト「茶ノ時」を通じて全国へこだわりの八女茶を届けている。

――お茶の栽培サイクルは、一般的にどのように進むのでしょうか?

原田さん: お茶の木は、大体20年ほどのサイクルで植え替え(更新)を行います。苗木を植え付けるのですが、苗木自体が2年生や3年生のものです。それを植えてから収穫できる状態になるまでにさらに3年ほどかかるため、トータルで約5年の歳月が必要になります。もし剪定せずに放置してしまうと、人間の背丈を超える高さまでぐんぐん伸びてしまうんですよ。

茶葉を丁寧に管理されている様子

――そんなに大きくなるのですね!剪定や木の管理で特に気をつけていることはありますか?

原田さん: 手入れをしないと、お茶の木には花が咲き、実(種)がついてしまいます。お茶の木に花がつくと栄養がとられてしまうため、花が咲かないように夏や秋に一度枝を切って形を整えたり、栄養が実や種に取られないように管理します。また、2番茶の収穫が終わった6月上旬頃には、枝を10cmほど深く切り落とす作業を行います。一時的に葉がほとんどない丸裸の状態になりますが、そこからまた綺麗な新しい芽が力強く芽吹いてくるんです。

――お茶の土づくりにおいて、最も特徴的なポイントは何ですか?

原田さん: お茶は、他の一般的な農作物とは異なり、pH 4.0前後という強い酸性土壌を好みます。そのため、年に一度は必ず土壌診断を行い、土のpHをはじめ、窒素分やマグネシウムの量などを数値で把握しています。

――酸性を維持するのは難しいのでしょうか?

原田さん: お茶の栽培では窒素分を多く使うため、自然と土壌は酸性に傾きやすくなります。また、雨が多い地域では雨水によっても土壌が酸性化しやすいですね。下がるときはpH 3.0近くまで下がることもありますが、それ以下には下がらないという限界値があります。もしアルカリ性に傾きそうになったら、しっかりと調整を行います。

華味鳥の鶏糞由来の普通肥料「華煌ら」

――肥料にはどのようなものを使われているのでしょうか?

原田さん: お茶はとにかく窒素分を好みます。特に、お茶が好むのはアンモニア態窒素です。そのため、収穫1ヶ月前などの勝負の時期には、速効性のある肥料を施しますが、有機質肥料としてはナタネの油かすなども使用しますね。

――私たちの肥料「華煌ら」も継続使用してもらっていますが、決め手はなんだったのでしょう?

原田さん: 施肥設計をする上で、一番大切なのは肥料成分がしっかり保証されていることです。土壌診断の結果(pHや窒素、マグネシウムの数値)を元に、「今回の施肥ではこの成分をこれだけ入れよう」と計算して施肥設計を組み立てます。成分がバラバラだと計算が崩れてしまいますから、成分保証があることが絶対の信頼になります。
そうして鶏糞由来肥料の中でも成分が保証されているところを探していて、御社の肥料「華煌ら」にたどり着きました。

土と肥料の話で盛り上がりました

原田さん: しかも「華煌ら」はペレット形状であるということも大きいです。お茶の肥料は、木と木の間の狭い通路に機械を通して、土の上にパラパラと散布していきます。粉体の肥料だと、機械の隙間に詰まったりうまく落ちなかったりして大変ですが、ペレット状であれば隙間に綺麗に落ちていってくれるので撒きやすいんです。

近年は機械代や燃料代の上昇もあって農家のコスト負担は深刻です。だからこそ、扱いやすく、信頼して使える確かな肥料を選ぶことが重要になります。

――原田さんのこだわりが詰まった八女茶を、私たちが美味しくいただくためのコツを教えてください。

原田さん: お茶は、お湯の「温度」と「水」が命です。水はミネラルが多すぎる硬水よりも、軟水が適しています。実は、日本の水道水はカルキを抜けば非常にバランスが良く、お茶に一番合っているんですよ。
また、お茶は3煎目までしっかり美味しく飲めます

  • 1煎目: じっくり引き出された極上の旨味と香りを味わう
  • 2煎目: 1煎目よりもさらに鮮やかな緑色が出て、少し苦味が加わった奥深い味わいを楽しむ
  • 3煎目: すっきりとした渋みと爽やかさを味わう
水出しも美味しく、色も鮮やか!

水出しにする場合は、冷蔵庫で冷やしておけば丸1日は綺麗な緑色が保てます。常温の状態では数時間で変色してしまうので注意してください。

そして最後に、お茶を飲み終わった後の「茶葉」ですが、実は捨てずにポン酢などをかけてそのまま食べることができます。お茶の持つ栄養を余すことなく丸ごと味わえる楽しみ方です。ぜひ試してみてください。

――それはぜひ試してみたいですね!原田さん本日はどうもありがとうございました!


【取材後記】
約600年前に僧・周瑞が明から霊巌寺に種を持ち帰ったことから始まったとされる八女茶の歴史。原田さんは、その伝統を受け継ぎながらも、土壌診断に基づく科学的な管理で時代に合わせた合理的かつ高品質なお茶作りを実践されていました。たくさんお話を聞かせていただき、ありがとうございました。